サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
「焼き肉、行きましょう。ぜひ、ご馳走させてください。クラスと名前は?」
「俺は2年7組の佐伯恭介」
そっか、一学年下だったんだ。
「君島詩織先輩、焼き肉忘れないでね」
「えっ? なんで私の名前・・・」
「サッカー部なら全員知ってるでしょ」
「・・・そうだよね」
消え入りそうな声で答えた。
サッカー部で私はちょっとした有名人なんだもんね。
悪い意味での有名人。なんか落ち込むな。
「あっ、すみません、変な意味で言ったんじゃなくて」
佐伯くんが慌ててフォローしてくれるけど、忘れたい過去を思い出して立ち直れそうにない。
「ううん、いいの。それより焼き肉ね!」
「先輩、もう時間ギリギリですよ。早く教室行かないと」
「やばっ! ホントありがとう。またね」
そう言って、佐伯くんは駐輪場へ。私は教室へと向かった。
佐伯くんの連絡先を知らないから後で2年7組へ行けばいいか。
詩織 高3
恭介 高2
これが私と佐伯くんの出会い。