サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
地方大会が始まり、並木西学園は順調に勝ち進んでいた。
来週は県ベスト4が決まる準々決勝。
今日はレストの日だから軽めのメニューで練習を切り上げた。
「優斗先輩、相談があるんですけどこの後少し付き合ってもらえませんか?」
恭介からこうやって声を掛けられるのは珍しい。
サッカーの悩みだろうか、スランプでは無さそうだけど。
「おう、いいぞ。帰りにどっか食いに行くか」
俺は恭介を誘い、ファミレスに寄りこんだ。
注文を済ませ、恭介が口を開く。
「今日はレストなのに無理に来てもらってすみません」
「なんだよ、相談って。最近の恭介は順調だろ?」
「サッカーは今のところ、悩んでることはありません。今日はサッカーの話じゃなくて・・・」
俺にサッカーの話以外の話があるのか?
「悪い、恭介。俺、勉強のことは相談に乗れねぇわ」
「いえ、勉強は、できる方なんで大丈夫です」
「なんかムカつくな。じゃあ、なんだよ」
「言いにくいんですけど・・・」
ま、まさか、俺に告白か?! やめてくれよ、恭介!
なんて能天気なことを考えていたら、急に奈落に落とされた。