サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
すると詩織からラインが届く。
≪今、電話しちゃったの。休んでいたらごめんね。明日、頑張って! って言いたかったの。おやすみ≫
えっ? 何? 俺は速攻で詩織に折り返した。
「もしもし、詩織?」
「あ、恭介。ごめんね、寝てたかな?」
「いや、携帯に出れなくてごめん。ライン読んだよ。びっくりした」
「あの、ね。明日ベンチに入るって聞いたから。頑張れって言いたかっただけなの」
「もう、チョー嬉しいんですけど。ありがとう」
「それだけ言いたかったの。頑張ってね!」
「俺、出場するか分からないよ。ベンチに入れるだけだし」
「うん、それでも緊張してるんじゃないかな、って思って」
「めっちゃ緊張してる、凄いな、詩織は。何でも分かるんだな」
そこまで言って、ハッと気づく。
そうだよな、去年の今頃は優斗先輩が俺と同じ立場だったんだ。
いや違う。優斗先輩は一年前からレギュラーだった。
出場できるか分からない俺と同じ訳がない。
「優斗先輩にも応援の電話したんですか?」
俺は聞いてはいけないことを口にしてしまった。