サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
焼き肉デートから数日が過ぎた頃、友達の那美がサッカー部の話を始めた。
那美はサッカーオタクで、この学校のサッカー部のことは詳しい。
私のラインの相手の ”恭介” に興味を持ったようで、恭介の情報を集めていたらしい。
今日はその報告ってところなのかな。
那美が次の準決勝で恭介が優斗くんの交代要員でベンチに入るという情報を教えてくれた。
「そうなんだね、恭介ってサッカー上手だったんだ」
「ストップ、詩織! 今、”恭介” って呼び捨てにした? あんたたち、どうなってるの?」
「どう、って。何もないって」
「だって、優斗のことは付き合ってたって ”優斗くん” だったし。呼び捨てはびっくりだわ。白状しなさいよ!」
そう言って那美が私の首を絞める仕草をしてきた。
「分かったから、那美、離して!!」