サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
「でも、無理なんだ。私は優斗くんの元カノっていうのから抜け出せないの。恭介は私のことを知っていたけど、それは優斗くんの彼女だったからなの」
「ふーん、複雑そうだけど、優斗は関係なくない? 詩織は恭介くんがこっちを見てくれるように努力しなきゃ。好きになったのは詩織なんでしょ? 優斗のせいにしちゃだめだよ」
那美の言う通りだ。優斗くんは関係ない。
私は恭介に好きになってもらえるように努力しなきゃダメなんだね。
「ありがとう、那美。恭介に振り向いてもらえるように頑張る」
「そうそう、言っておくけど恭介くんってモテるよ。優斗ほどじゃないけど、下級生からは一番人気があるかも。詩織、年上の余裕なんて思ってたらあっという間に恭介くんを取られちゃうよ」
やだ、那美。そんなこと言われたら焦るじゃない。
「詩織は練習を全然観に行かないから分からないだろうけど、毎日一年生が恭介くんに声援送ってるんだよ。恭介くんもちゃんとそれに応えてる。詩織の知らないところでね」
「ちなみに恭介くんがベンチに入る準決勝は来週の水曜日だからね」