サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ 県大会決勝 -恭介-
唖然として二人を見ていた。
俺だけじゃない、ここにいる全員があの二人を見ていた。
優斗先輩と詩織
他を寄せ付けない雰囲気が二人にはある。
告白する前に振られたんだな、俺。
涙も出てこないぞ。
隣にいた佳希がオブラートと言うものを知らないのか、
「やっぱりあの二人お似合いだよな。お前って何だったの? 君島先輩の暇つぶし?」
くそっ! 俺は佳希の尻まで足を振り上げて思い切り蹴飛ばしてやった。
「痛ってーな、恭介! 何すんだよ、ばか」
それでも佳希には少しだけ救われた。
詩織の暇つぶしになったんなら、それでいいか、なんてその時は思ったんだ。