サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
部活の練習の帰り道、私はいつも優斗くんの一歩後ろを歩き、優斗くんが背負っているサッカー部のスポーツバッグばかりを見ていた。
背番号10番が印刷されたバッグを。
最初にハッキリとお付き合いを断れば良かったのに、優斗くんの取り巻きに呼び出されて
「私たちは君島さんが付き合うのを認めたくないけど、あなたが断ったら優斗のメンツが丸潰れになる。そっちの方が許せないのよ」
その時は取り巻きたちに気圧されて、優斗くんと付き合う事しか選択できなかった。
優斗くんは私が他の男の子と話しているとヤキモチを妬き、怒る。
サッカーの試合を観に行ったときも、観客席にいる私に相手校の選手が話し掛けてきたことがあって、
「ナンパされてんじゃねーよ。詩織は男と話すの禁止」
なんて言われたこともあった。
優斗くんのヤキモチや独占欲が本当に苦痛だった。