テスター
それから先は、私にとってのろいの時間だった。


「ブス」


「ババァ」


「地味」


「ダサイ」


生徒たちからその言葉を投げかけられるたびに、自分の心の中の何かがひとつ死んでいくようだった。


かわりに「可愛い」「綺麗」「素敵」と言う言葉を聞くのがいやになった。


それは自分とはかけ離れたものだから。


私が手に入れようとして、手に入れられなかったものだから。
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