テスター
あたしが教室へ入ってきた瞬間教室内がざわめいた。


怪我のことを言っているのか、事件のことを言っているのか、登校してきたことを驚いているのか。


あるいは、その全部かもしれない。


とにかく自分が今このクラス内で浮いた存在だということは認識できた。


居心地の悪さを感じながら自分の席に座り、智恵理と栞の席に視線を向けた。


2人の席には花瓶が置かれていて、白い花が飾られている。


2人の葬儀はすでに終わっているようだけれど、入院中のあたしは参列することができなかった。
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