テスター
あたしは懸命に助けを叫んだが、外に誰もいないのか声はむなしく消えていくばかりだ。


テスターはナイフを軽やかに移動させ、智恵理の顎下を大きく切り裂いた。


その瞬間、ボトボトと血が流れだし、床を染めていく。


「もう……やめて……」


智恵理はボロボロと涙をこぼして懇願する。


しかしテスターは止まらない。


ナイフを下ろすと、今度は両手の指を顎の切れ目に差し入れた。


そしてそのまま、勢いよく智恵理の皮膚を引き剥がし始めたのだ。


ベリベリベリベリ! と、皮膚が無理やりはがされていく強烈な音が倉庫内に響き渡る。


智恵理の顔はあっという間に赤く染まり、肉と筋肉の筋だけが残っていく。


「ギャアアアアア!!」


壮絶な悲鳴を上げてもがく智恵理。


しかし、それも長くは続かなかった。


鼻まで皮膚がはがされたとき、途端に声が止まったのだ。


「智恵理!?」


呼びかけても返事はない。


智恵理は白めを向いてグッタリとしている。


それでもテスターは手を止めず、智恵理の顔の皮膚を完全に剥ぎ取ってしまった。
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