テスター
☆☆☆

昨日もおとといも探した公園へ行き、千紗が嫌っていた公衆トイレも除き、そしてコンビニに足を運んだ。


そのどこにも千紗の姿はない。


智恵理も、栞もいない。


焦燥感は募るばかりで探しながらも涙が溢れ出してくる。


本当にどこに行ったんだよ!


千紗のことならなんでもわかっている気でいたけれど、大間違いだ。


連絡手段がなくなると、どこにいるのかもわからなくなる。


悔しくて下唇をかみ締めた。


学校までの道のりをかなり大回りして探してみても、千紗を見つけることができないまま、学校に到着してしまった。


「久典、大丈夫かよ?」


B組の教室に入ると、先に登校してきていた友人が心配そうに声をかけてきた。


「え?」


「顔。見てないのか?」


そう言われて、昨日からろくに顔も洗っていないことを思い出した。


トイレに向かって鏡を確認してみると、うっすらと無精ひげが生えている。


目の下も少しクマができていた。


「ひでぇ顔」


呟き、簡単に顔を洗う。


冷たい水のおかげで少し頭がスッキリとした。


そうしている間にホームルーム開始のチャイムが鳴り始めて、俺は慌てて教室へ戻ったのだった。
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