テスター
更に学校内を歩いてみると、生徒たちのほうがバッチリメークをしている子が多いことに気がついた。


新作のメーク道具だったり、ファッションにすごく敏感だ。


こんな中で私はメークもせずに働いていたのかと思うと、急に焦燥感が生まれた。


私も少しくらい綺麗にしなきゃいけない。


そう思い、学校が終わると同時にメーク道具を買いに走った。


どんなものがいいのかわからないから、お店の人に聞いてオススメされたものをそのまま購入した。


使い方もわからないものがあったので、念入りに店員さんから話を聞いてから帰宅をした。


いつもより遅い時間に帰宅した私に「なにかあったの?」と、声をかけてくる母親。


私は「なんでもない」と簡単に返事をして自室へ向かった。


すぐに紙袋の中から化粧品を取り出してみた。


初めて使ってみるものも沢山あって、触れるだけで心が高鳴るのを感じた。


みんなこんなものをつけて仕事をしているんだ。


化粧が崩れていないかどうかずっと気にしていないといけないんじゃないだろうか?


そんな不安がふとよぎった。
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