規制アプリ
久しぶりに心を許せる友人を会ったことで、気分は随分とスッキリしている。


鼻歌交じりに歩き出した、そのときだった。コンビニの駐車場に入ってくる一樹の姿を発見してあたしの鼻歌は止まった。


唖然として一樹を見つめる。


今のを見られてしまっただろうか?


近づいてくる一樹に一歩後ずさりをする。


もう1度コンビニに入ってトイレに隠れようか。


そう思案している間に、すでに一樹は目の前まで来ていた。


あたしは覚悟を決めてゴクリと唾を飲み込む。


なにか言われる!


そう思った次の瞬間、一樹はなにも言わずコンビニへ入っていってしまった。


え……?


横を通り過ぎていく一樹にあたしは瞬きをした。


もしかしてあたしだと気がついていないんだろうか?


制服姿が見慣れているため、私服じゃ誰だかわからないことはよくある。


とにかくバレなかったみたいだ。


あたしはホッと胸をなでおろして、足早に自宅へと戻ったのだった。
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