規制アプリ
☆☆☆

5時間目の授業は体育だった。


ロッカーから取り出した体操着を確認してみると、幸い無傷のままだった。


ホッとしてそれに着替えて、みんなと同じタイミングで体育館へ向かう。


移動中も蕾は青ざめていて、時折体がフラつくのがわかった。


昨日の晩からろくに食べていないのだから、そうなっても仕方ないことだった。


「ちゃんと食べないからそうなるんだよ?」


樹里が時折蕾の体を支えて言う。


そんな調子で体育の授業を受けることは難しいと思うが、今日はA組とB組でバドミントンの試合があるからどうしても出席したいらしい。


B組の体育にかける熱は一味違っていることも、あたしはすでに感じ取っていた。


そんな状態で始まった授業は、4つのコートを使って1対1の試合が同時に行われるものだった。


一クラスについ4人の勝ち負けが同時に決まり、最終的にどっちの勝率が高かったのか争うらしい。


こういう授業方法は前の高校では行われていなかったため、とても新鮮に感じられた。


幸い、あたしは体を動かすのが苦にはならない。


この学校ではちょっとイメージがわかないかもしれないが、前の学校では体育祭でもリレーの選手に選ばれていた。


運動神経に自信のあるあたしは、A組の生徒に圧勝していた。


先生は同じレベルの生徒を選んだと言っていたが、あたしの能力をかなり低く見ていたみたいだ。
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