規制アプリ
死亡
翌日学校に登校すると真っ先に蕾が駆け寄ってきた。


その顔はひどく慌てている。


重行がいなくなったことがすでに知れ渡っているのだろうかと思ったが、原因は田中先生のほうだった。


「田中先生が死んだんだって！」


突然の訃報に一瞬目を見開く。


それから昨日偶然見かけた田中先生の姿を思い出していた。


ヨロヨロとさまよい歩き、その姿はボロボロになっていた。


昨日で５日目の飲まず食わずだったから、随分と頑張っていると感じていたところだ。


でも、どうやらその後死んでしまったらしい。


「発見されたとき、水溜りを顔を突っ込んでたんだって」


「へぇ、なにがあったんだろうね」


水溜りの汚い水でも飲みたいと願ってしまうほど、先生は乾ききって死んでいったみたいだ。


それは想像を絶する苦しみだっただろうだ。


内心ほくそ笑んでいると、一樹が近づいてきた。


「お、おはよう亜里沙」


いつも挨拶なんてしないのに、今日は笑顔を貼り付けている。


その様子に気持ち悪さを感じてあたしは一樹から少し離れた。


「なにか飲み物でも買ってこようか？　それとも、お菓子のほうがいいか？」


まるで重行のようなことを言う。
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