規制アプリ
「どこまで行くんだ?」


学校が見えなくなってきたところで一樹が質問をしてきた。


重行を監禁した廃墟までまだまだ距離がある。


民家が立ち並ぶ場所に監禁することはできないから、しかたない。


「まだまだだよ」


あたしは短く返事をして、一樹の前を歩く。


ほとんど無言で歩いていると、ようやくお目当ての廃墟が姿を現した。


あたしは躊躇なくその中に入っていく。


「こんな場所に重行がいるのかよ」


後ろからついてくる一樹は、怪訝そうな声を上げている。


「信じないなら、ついてこなくていいから」


冷たく返事をすると、舌打ちが返ってきた。


重行を監禁した3階の部屋へ向かうと、そこには変わらない様子で突っ立っている重行の姿があった。


「重行!!」


その姿を見た瞬間一樹は駆け出した。


そして血まみれになっている重行を見て目を見開いた。


「どうした? 誰にやられた?」


質問するが、重行は随分弱っているようで言葉を聞き取ることはできなかった。
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