規制アプリ
☆☆☆
翌日、いつもどおり学校へ向かい、ひとりで席に座っていた。
今はもう誰もあたしに話しかけてはこない。
少し早めに登校してきて、自分の机やロッカーの中身が大丈夫かどうか確認したから、教室にいる生徒の数も少なかった。
授業開始までまだまだ時間があるためボーっとしていると、ひとりの女子生徒が近づいてきた。
長い髪の毛をおさげにして、黒縁メガネをかけている、いかにも目立たないタイプの子だ。
自己紹介のときに名前を聞いたはずだけれど、思い出すことができない。
それでも自分に近づいてきた相手に警戒しつつ、あたしは彼女を見つめた。
「あ、あの。染谷さん、大丈夫?」
それはあたしと同じくらいに小さな声だった。
今にも消え入ってしまいそうな声で、しかも震えている。
それだけで彼女がとても勇気を出して話しかけてくれたのだということがわかった。
あたしはつい、笑顔になった。
作り物の笑顔じゃない。
思わず出てきてしまう笑顔だ。
「全然大丈夫だよ」
あたしはなるべく明るい声色で返事をする。
それに驚いた表情を浮かべる女子生徒。
翌日、いつもどおり学校へ向かい、ひとりで席に座っていた。
今はもう誰もあたしに話しかけてはこない。
少し早めに登校してきて、自分の机やロッカーの中身が大丈夫かどうか確認したから、教室にいる生徒の数も少なかった。
授業開始までまだまだ時間があるためボーっとしていると、ひとりの女子生徒が近づいてきた。
長い髪の毛をおさげにして、黒縁メガネをかけている、いかにも目立たないタイプの子だ。
自己紹介のときに名前を聞いたはずだけれど、思い出すことができない。
それでも自分に近づいてきた相手に警戒しつつ、あたしは彼女を見つめた。
「あ、あの。染谷さん、大丈夫?」
それはあたしと同じくらいに小さな声だった。
今にも消え入ってしまいそうな声で、しかも震えている。
それだけで彼女がとても勇気を出して話しかけてくれたのだということがわかった。
あたしはつい、笑顔になった。
作り物の笑顔じゃない。
思わず出てきてしまう笑顔だ。
「全然大丈夫だよ」
あたしはなるべく明るい声色で返事をする。
それに驚いた表情を浮かべる女子生徒。