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悔しさ
１日が終わって家に戻ると、どっと疲れが押し寄せてきてあたしはリビングのソファに身を沈みこませた。


とりあえず、今日の復讐は成功したといっていいだろう。


だけどまだまだこれからだ。


あいつらのイジメは尋常ではない。


あたしへのイジメはこれからどんどんエスカレートしていくはずだった。


緊張が解けて大きく息を吐き出したとき、母親が帰ってきてリビングのドアが開いた。


「あら、どうしたのそんなところで横になって」


買い物袋をテーブルに置きながら聞いてくる。


袋の中にチョコレートの箱を見つけてあたしはすぐに手を伸ばした。


なにか甘いものがほしいと思っていたところだった。


「ちょっと疲れたの」


あたしはそう言ってチョコレートとひとかけら口に放り込んだ。


甘い味が口いっぱいに広がっていって元気が出てくる。


「あら、本当ね。目の下にクマができてる」


母親に指摘されて鏡台で確認をしてみると、いつの間にか目の下が黒くなっている。


いつの間にクマなんてできたんだろう。


そっと指先で触れて眉を寄せる。


このくらいのクマならしっかり眠ればすぐに直りそうだ。


「転校してすぐだから疲れてるんでしょう？　今日はゆっくり休みなさい」


母親にそういわれて、あたしは素直にうなづいたのだった。
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