規制アプリ
蕾を追いかけて女子トイレへ向かうと、その手前で蕾は立ち尽くしていた。
一歩足を踏み出してはまた戻す。
という行為を繰り返している。
「入らないの?」
声をかけると蕾はビクリと肩を震わせて振り向いた。
立っているのがあたしだと気がついた途端、顔をしかめて強気な態度に出る。
「あんたには関係ないでしょ」
確かに関係なかった。
ただ、トイレに入らない理由を知りたかっただけだ。
「今日はどうして鏡を見ないの?」
続けて質問すると、マスクの下から舌打ちする声が聞こえてきた。
「それも関係ないでしょ」
「まさか、鏡が怖くなったの?」
更なる質問に蕾が目を見開いた。
「なに、言って――」
「トイレには鏡があるから、それで入れない?」
蕾の言葉を途中でさえぎって言う。
蕾は黙り込んでしまった。
さっきまでの強気な態度はどこへやら、今は泣いてしまいそうな顔になっている。
蕾でもそんな顔をするのだと一瞬驚く。
でもまぁそうか。
イジメをする人間こそ弱い心を持っているのだから、自分の予想外のことが起きれば泣いてしまっても不思議はないかもしれない。
一歩足を踏み出してはまた戻す。
という行為を繰り返している。
「入らないの?」
声をかけると蕾はビクリと肩を震わせて振り向いた。
立っているのがあたしだと気がついた途端、顔をしかめて強気な態度に出る。
「あんたには関係ないでしょ」
確かに関係なかった。
ただ、トイレに入らない理由を知りたかっただけだ。
「今日はどうして鏡を見ないの?」
続けて質問すると、マスクの下から舌打ちする声が聞こえてきた。
「それも関係ないでしょ」
「まさか、鏡が怖くなったの?」
更なる質問に蕾が目を見開いた。
「なに、言って――」
「トイレには鏡があるから、それで入れない?」
蕾の言葉を途中でさえぎって言う。
蕾は黙り込んでしまった。
さっきまでの強気な態度はどこへやら、今は泣いてしまいそうな顔になっている。
蕾でもそんな顔をするのだと一瞬驚く。
でもまぁそうか。
イジメをする人間こそ弱い心を持っているのだから、自分の予想外のことが起きれば泣いてしまっても不思議はないかもしれない。