規制アプリ
「やめて、やめて！」


下手をすれば大きなケガをしてしまう。


制服がボロボロになることもよりも、そっちのほうが怖かった。


どれだけ叫んでも、樹里は笑顔で襲い掛かる。


時に声を上げて笑いながらあたしの制服を切り刻んでいく。


「お願いだからやめて！」


きつく目を閉じて大声で叫んだその時だった、突然樹里の動きが止まった。


薄目を開けて確認してみると誰もいない方向を気にしているのがわかった。


なに……？


「誰か来た！」


「逃げろ！」


重行と一樹が叫び、３人は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。


あたしはどうにか上半身を起こし、想像以上にボロボロになった制服を見て強く身震いをした。


一歩間違えれば体を切り刻まれていたかもしれないのだ。


心の底からスーっと体温が失われていくのがわかる。


呆然と座り込んでいたとき、足音が近づいてきていることに気がついた。


「大丈夫か！？」


聞きなれたその声に振り向くと、田中先生が走ってくるのが見えた。
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