殺人感染
「先輩って言った?」


あたしが聞くと、純也は真剣な表情でうなづいた。


「で、でも、アザができるのは16歳だけだって」


「だよな。でも現に先輩はアザができてた。これってどういことだと思う?」


そう聞かれてもすぐにはわからない。


でも、考えられることは最悪の状況だけだった。


「まさか、16歳にアザが出現するっていうのは最初の1人に限ったことで、感染していく時には年齢が関係なくなっているとか?」


恐る恐る自分の考えを口にする。


それは考えたくもない事実だった。


「そうなのかもしれない」


純也はうなづくと、階段を駆け下りて2階の廊下に誰もいないことを確認すると、窓の外へ視線を向けた。


同じように外を確認してみると、数人の警察官が一般人と思われる人々に向けて拳銃を向けているのが見えた。
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