殺人感染
純也があたしの前に立ち、モップを両手で握りなおした。
「純也……」
「仕方がないことなんだ。俺が攻撃するから、すぐに取り押さえてくれ」
あたしはうなづくことしかできなかった。
雪を助けられるのはあたしたちだけだから。
やがて雪がこちらに気がついて走りだした。
あっという間に距離が縮まる。
「雪、ごめんな!」
純也は叫ぶと同時にモップを雪の腹部へと叩き込んだ。
雪の体がくの字に折れて、そのまま仰向けで倒れこむ。
すかさずかけより、あたしは雪の体の上に馬乗りになり、両手を押さえ込んだ。
雪があたしの下で暴れ周り、うめき声を上げる。
それは人間のものとは思えない奇声だった。
激しく頭を振り乱し、あたしに噛み付こうとしているのか口を大きく開閉する。
その力が強すぎて歯が欠け落ちるのが見えた。
このままじゃ雪が……!
これ以上雪を傷つけたくなくて「早く!」と、叫ぶ。
純也は刃物を取り出して雪の横で膝を突いた。
しかし、雪が激しく頭を振るからなかなか狙いが定まらない。
あたしはグッと両腕に力をこめて雪の手を押さえ込む。
「純也……」
「仕方がないことなんだ。俺が攻撃するから、すぐに取り押さえてくれ」
あたしはうなづくことしかできなかった。
雪を助けられるのはあたしたちだけだから。
やがて雪がこちらに気がついて走りだした。
あっという間に距離が縮まる。
「雪、ごめんな!」
純也は叫ぶと同時にモップを雪の腹部へと叩き込んだ。
雪の体がくの字に折れて、そのまま仰向けで倒れこむ。
すかさずかけより、あたしは雪の体の上に馬乗りになり、両手を押さえ込んだ。
雪があたしの下で暴れ周り、うめき声を上げる。
それは人間のものとは思えない奇声だった。
激しく頭を振り乱し、あたしに噛み付こうとしているのか口を大きく開閉する。
その力が強すぎて歯が欠け落ちるのが見えた。
このままじゃ雪が……!
これ以上雪を傷つけたくなくて「早く!」と、叫ぶ。
純也は刃物を取り出して雪の横で膝を突いた。
しかし、雪が激しく頭を振るからなかなか狙いが定まらない。
あたしはグッと両腕に力をこめて雪の手を押さえ込む。