殺人感染
☆☆☆
1階の廊下に差し掛かったとき、さっき電話で聞いた笑い声が聞こえてきて足を止めた。
こんな状況で一体誰が笑っているんだろう?
今まで出会ってきた殺人鬼は笑い声なんて上げていなかったから、これは普通の人間で間違いなさそうだった。
それにしては異質な笑い方。
まるで心が壊れてしまっているような笑い方だと感じた。
「あははははははははは!」
途切れることなく聞こえてくる声に恐怖心を抱きながらも、あたしは一歩一歩その声に近づいていく。
電話から聞こえてきた声と同じだということは、そこに香もいるかもしれないということだ。
「あははははははは! あははははははは!」
声はどんどん近くなっていく。
それは最初にあたしたち4人が逃げ込んだ教室内から聞こえてきていた。
あたしは閉じられたドアの前で一度立ち止まり、モップを握りなおした。
窓が割られているため、そこから中をのぞきこむ。
その瞬間、教室の中央で笑い転げている女子生徒の姿が見えた。
髪を振り乱し、手には血のついた包丁が握り締められている。
一見誰だかわからなかったけれど、それは香で間違いなさそうだった。
あたしはハッと息を飲んでドアから教室へと飛び込んだ。
「香!?」
声をかけた瞬間、足を止めていた。
教室内には複数の生徒が横倒しになり、血を流しているのだ。
香はその真ん中で笑い続けている。
1階の廊下に差し掛かったとき、さっき電話で聞いた笑い声が聞こえてきて足を止めた。
こんな状況で一体誰が笑っているんだろう?
今まで出会ってきた殺人鬼は笑い声なんて上げていなかったから、これは普通の人間で間違いなさそうだった。
それにしては異質な笑い方。
まるで心が壊れてしまっているような笑い方だと感じた。
「あははははははははは!」
途切れることなく聞こえてくる声に恐怖心を抱きながらも、あたしは一歩一歩その声に近づいていく。
電話から聞こえてきた声と同じだということは、そこに香もいるかもしれないということだ。
「あははははははは! あははははははは!」
声はどんどん近くなっていく。
それは最初にあたしたち4人が逃げ込んだ教室内から聞こえてきていた。
あたしは閉じられたドアの前で一度立ち止まり、モップを握りなおした。
窓が割られているため、そこから中をのぞきこむ。
その瞬間、教室の中央で笑い転げている女子生徒の姿が見えた。
髪を振り乱し、手には血のついた包丁が握り締められている。
一見誰だかわからなかったけれど、それは香で間違いなさそうだった。
あたしはハッと息を飲んでドアから教室へと飛び込んだ。
「香!?」
声をかけた瞬間、足を止めていた。
教室内には複数の生徒が横倒しになり、血を流しているのだ。
香はその真ん中で笑い続けている。