死なないあたしの恋物語
4月5日
今日は渡中学校の始業式の日だ。
今日からまた新しい1年が始まるのかと思っても、あたしの気持ちは浮かれない。
外は心地よい気温で、目を閉じればすぐにでも眠ってしまいそうになる。
こんな日にも、もう飽き飽きしてきていた。
学校までの道のりを歩きながら、いつか経験した登校風景が走馬灯のようによみがえる。右手に見える民家は夏になると毎年朝顔を育てて、日よけにしている。
そこの角を曲がった家では登校時間中に打ち水をしていて、何度かかけられたことがある。
学校の近くにある駄菓子屋さんは登校前からオープンしていて、学生がよくたむろしている。
頭の中で風景を描きながら右手の民家を確認する。
大きな窓の下にプランターはなく、他の花を育てている様子もない。
なにより、中に人の気配がなくて表札を確認すると、売り家と書かれた看板が出ていた。
角を曲がったところで咄嗟に身構えても打ち水はかけられなかった。
そこはいつの間にか更地になっていて、アパート建設予定地とされていた。
更に学校付近の駄菓子屋に近づいてくると、そこはパン屋さんに代わっていた。
そこだけ当時とあまり変わらぬ風景があって、ホッと胸をなでおろす。
前回あたしが中学生を経験したのは20年か30年前のことだから、その間にすっかりこの辺は様変わりしてしまったようだ。
今日からまた新しい1年が始まるのかと思っても、あたしの気持ちは浮かれない。
外は心地よい気温で、目を閉じればすぐにでも眠ってしまいそうになる。
こんな日にも、もう飽き飽きしてきていた。
学校までの道のりを歩きながら、いつか経験した登校風景が走馬灯のようによみがえる。右手に見える民家は夏になると毎年朝顔を育てて、日よけにしている。
そこの角を曲がった家では登校時間中に打ち水をしていて、何度かかけられたことがある。
学校の近くにある駄菓子屋さんは登校前からオープンしていて、学生がよくたむろしている。
頭の中で風景を描きながら右手の民家を確認する。
大きな窓の下にプランターはなく、他の花を育てている様子もない。
なにより、中に人の気配がなくて表札を確認すると、売り家と書かれた看板が出ていた。
角を曲がったところで咄嗟に身構えても打ち水はかけられなかった。
そこはいつの間にか更地になっていて、アパート建設予定地とされていた。
更に学校付近の駄菓子屋に近づいてくると、そこはパン屋さんに代わっていた。
そこだけ当時とあまり変わらぬ風景があって、ホッと胸をなでおろす。
前回あたしが中学生を経験したのは20年か30年前のことだから、その間にすっかりこの辺は様変わりしてしまったようだ。
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