死なないあたしの恋物語
☆☆☆

「反省会とかはないの?」


洋人君に誘われて近くのハンバーガーショップに来ていた。


まだ少し早い時間だから、店内にお客さんの数は少ない。


あたしと洋人君はセットを注文して、奥の4人席に腰掛けた。


「あるよ。でも後から聞くから平気」


洋人君はそう言って炭酸ジュースを口につける。


あたしは自分の前に置かれているハンバーガーとポテトとジュースに視線を落とした。


いいと言ったのに、洋人君が買ってくれたのだ。


仕方なくあたしもジュースに口をつけた。


シュワシュワとした炭酸が口の中に広がってさわやかだ。


「今日は本当にありがとう。来月も試合があるんだ」


洋人君はそう言ってハンバーガーにかじりついた。


あまりに大きな口なのであたしはつい見つめてしまう。


口の端にソースがついてしまって、思わず笑う。


「え、なに?」


「口、ソースついてるよ?」


口の右側を指差すと洋人君は照れ笑いを浮かべ、ナプキンでソースをぬぐった。


「それで、来月の試合も見にきてくれないか?」
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