死なないあたしの恋物語
☆☆☆
しばらくベッドの中で寝返りを打っていたあたしだけれど、気がつけば夢の中に落ちていた。
最初はモヤがかかったような夢だったけれど、次第に輪郭がハッキリと見えてくる。
あたしは誰かと手をつないで歩いていた。
その手はとても優しくて暖かくて、触れているだけで幸せになれるものだった。
一体誰の手だろう?
そう思って視線を上へ上げてみると、相手は洋人君だった。
途端にあたしの心臓が飛び跳ねる。
緊張と、嬉しさがない交ぜになってぎこちない歩き方になるのがわかった。
2人はそのまま広い公園へと向かった。
そこには河川敷のような広い石段があり、2人は手をつないだままそこを降りていく。
隣を歩く洋人君は楽しそうな笑い声を上げ、それにつられてあたしも笑う。
会話の内容は聞き取れなかったけれど、それはとても幸福な夢だった。
しかし……、石段の途中で突然あたしは足を踏み外したのだ。
落ちる!
咄嗟になにかに掴まろうとしても、手すりがない。
あたしの手は空中をむなしく掴み、落下していく恐怖でフワリと体が浮き上がる感覚がする。
全身に寒気が駆け巡り、ギュッと目をつぶった、その瞬間だった。
握られていた右手が強く引っ張られた。
あたしの体はそのまま相手に引き寄せられる。
「大丈夫か?」
そう聞かれてようやく目をあけた瞬間、あたしは絶句した。
あたしの抱きかかえるようにして助けてくれたその人は洋人君ではなかった。
その、相手の人は……。
しばらくベッドの中で寝返りを打っていたあたしだけれど、気がつけば夢の中に落ちていた。
最初はモヤがかかったような夢だったけれど、次第に輪郭がハッキリと見えてくる。
あたしは誰かと手をつないで歩いていた。
その手はとても優しくて暖かくて、触れているだけで幸せになれるものだった。
一体誰の手だろう?
そう思って視線を上へ上げてみると、相手は洋人君だった。
途端にあたしの心臓が飛び跳ねる。
緊張と、嬉しさがない交ぜになってぎこちない歩き方になるのがわかった。
2人はそのまま広い公園へと向かった。
そこには河川敷のような広い石段があり、2人は手をつないだままそこを降りていく。
隣を歩く洋人君は楽しそうな笑い声を上げ、それにつられてあたしも笑う。
会話の内容は聞き取れなかったけれど、それはとても幸福な夢だった。
しかし……、石段の途中で突然あたしは足を踏み外したのだ。
落ちる!
咄嗟になにかに掴まろうとしても、手すりがない。
あたしの手は空中をむなしく掴み、落下していく恐怖でフワリと体が浮き上がる感覚がする。
全身に寒気が駆け巡り、ギュッと目をつぶった、その瞬間だった。
握られていた右手が強く引っ張られた。
あたしの体はそのまま相手に引き寄せられる。
「大丈夫か?」
そう聞かれてようやく目をあけた瞬間、あたしは絶句した。
あたしの抱きかかえるようにして助けてくれたその人は洋人君ではなかった。
その、相手の人は……。