死なないあたしの恋物語
☆☆☆

朝からシャワーを浴びてスッキリとしたあたしは、昨日と同じように学校へ向かった。


2年A組の教室へ入った瞬間真夏と綾が駆け寄ってきた。


その目は好奇心に満ち溢れている。


「昨日、どうだった!?」


朝の挨拶もなしに真夏が質問を投げかけてくる。


あたしは自分の席にカバンを置きながら「別に、なにもないよ」と、返事をした。


ごく普通に言ったつもりだったのに、ニヤついた顔の2人と視線がぶつかった。


「じゃあどうしてそんなに頬が赤くなってるの?」


綾があたしの右頬をツンッとつついて指摘する。


あたしは咄嗟に両手で頬を包み込んで隠してしまった。


「え、な、なに言ってるの!?」


しどろもどろで言うと、2人は同時に顔を見合わせて「やっぱりなにかあったんでしょう!?」と、声を合わせてきた。


し、しまった。


やられた。


2人にカマをかけられたのだと理解しても、もう遅い。


すべてを話さないと逃がさないと、2人の顔は物語っている。
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