死なないあたしの恋物語
川は本当に流れが強くて、あたしみたいな華奢な子供は簡単に流されてしまった。


浮かび上がろうとしてもできなくて、水がどんどん体に入ってきて、すごく苦しくて、意識を失った。


さすがに死んだと思ったのに、また目が覚めたの。


あたしは川原に打ち上げられていて、目が覚めた瞬間水を全部吐き出した。


ただ運がいいだけじゃないってその時自覚した。


川に写った自分の顔が、全然変化していないことにも気がついたし。


そこから、あたしの不老不死の人生は始まった。


それだけじゃない。


あの男はあたしに人の記憶を操作する力まで与えて行った。


だから、こうして気まぐれに中学校にもぐりこんでも、海外に出てみても、平気で生活することができている。


そう、これはあたしの、暇つぶしの物語……。
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