死なないあたしの恋物語
☆☆☆

1度はこの人生を楽しむと決めて、自分から積極的に洋人君と関わってきた。


それを突然やめるというのは、やっぱり苦しいことだった。


なかなか給食に手をつけることができずにいると、綾も真夏も心配そうな目を向けてくる。


「あたしのことは気にしなくていいから。先に食べて」


「食べるのは食べるけどさ、千奈がいつもの元気じゃないと、なんかなー」


真夏はパンにかぶりついて頬を膨らませながら言う。


「そうだよ。早く洋人君と仲直りしなよ」


綾も心配顔だ。


「うん。わかってるから」


今の苦しみと、洋介君と離れる苦しみと、一体どちらのほうがつらいだろうか?


そんなことを考えて苦笑いを浮かべた。


どっちにしても、恋愛はあたしにとって辛い選択肢でしかなかったのだ。


そんなの、1度経験してわかっていたはずなのに。


「あれぇ? 今日はやけに落ち込んでるんだね?」


嫌な雰囲気をたたえて声をかけてきたのは美鈴さんだった。


隣にはと当然のように雅子さんもいる。


あたしは咄嗟に身構えた。


この2人は要注意だ。


真夏と綾もいい顔はしていない。
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