余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~


涼太の言葉に頷く。

「そう。龍牙を結成してすぐ、あの頃この町で暴れていた暴走族に目をつけられて、

みんながボコボコにされたことがあった」

「あー、そんなこともあったね…」

晶が遠い目をする。

「そいつらはその後すぐに警察に捕まった。…私は自分の無力さを痛感したんだ。

怯えて、隠れて、見ていることしかできなかった」

あの時のことを思い出すと、今でも悔しさや罪悪感に苛まれる。

「庇うことすらできずに、何が仲間だと思った。

あの時の暴走族は醜く嗤いながら、みんなを蹴って殴って…」
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