余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~


遥が怒りと哀しみが混ざった声で叫ぶ。

「遥ッ、言えるわけねぇだろッ。俺たちは…、紗夜を裏切り者扱いしてたんだから」

「ッ、ごめん。ほんとにごめん…っ」

零斗の言葉に、遥の顔は涙でグシャグシャになる。


「嘘って、言ってよ…っ。紗夜姉ちゃんっ」

「ごめん桃。嘘って言ってあげられなくて。

……命僅かな私の長い話、まだ付き合ってくれる?」


涙を何度も流しながら、桃は微かに頷く。

下っ端たちも零斗たちもみんな、涙に塗れている。
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