余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~


知らずに流れた涙が、紗夜の頬を濡らしていた。

「っ、わりぃ。情けねぇな、俺」

急いで服の袖を引っ張って、雑に拭う。

「いいんだよ、泣いて。

泣くのを我慢しすぎると、本当に泣きたいときに泣けなくなるから…。

悲しい時は思いっきり泣く、楽しい時は全力で笑う」

紗夜の言葉が、心に染みわたっていく。

今日だけで、心に残る言葉をたくさんもらった。
< 202 / 220 >

この作品をシェア

pagetop