余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~
「紗夜のことか。大丈夫、葉月に手を出させたりしねぇよ」
「…でもっ、怖いよぅ」
泣き出しそうになる葉月を抱き寄せ、頭を撫でて落ち着かせる。
「大丈夫、大丈夫。俺達がついてる」
「うぅ~っ、れいと~」
絶対に守る。
そう決意を固めている俺たちの中に、一人だけ違うことを思っている奴がいることは誰も気がつかない。
先ほど紗夜を問い詰めに行くのに参加しなかった幹部の一人は、この時何を考えていたのか。
ーー俺たちは、少しづつ道を踏み外していく。