余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~
「れいと~、痛いよぅ」
「葉月…、ごめんな。すぐに気づけなくて」
よく見ればわかるのに。
葉月の怪我は、自分で手の届くところは本物の怪我だが、
あとはメイクで作ったに過ぎない偽物だ。
それに葉月は笑っている。
顔を両手で隠しているが、その指の隙間から覗く口角が上がっている。
「おい、分かったらさっさと出ていけ」
「…ちょっと待って零斗。もっと証拠を集めてからでも遅くないんじゃない?」