余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~


そこで俯いていた顔をお姉ちゃんに向ける。

「『家族と打ち解けて』。その言葉を見て、葉月の事が頭に浮かんだの。

あなたがしたことを、私は見て見ぬふりをした。

そして、あなたが雷のことが好きだったことにも。

そのことで私のことを避けていることにも見て見ぬふりをした」


お姉ちゃんの顔が後悔と苦痛で歪んでいく。

そして涙を流し、顔を両手で覆う。

「ごめん、ごめんね…っ。ダメなお姉ちゃんで、本当にごめん…」

どうして、お姉ちゃんが泣くの。
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