余命宣告された元姫は復讐を決意する~花言葉は口ほどにモノをいう~


チャイムが鳴り、張り詰めた空気が霧散する。

「授業の時間だよ。席に戻ったら?」

「…ちっ」

動けずにいたみんなが弾かれたように動き始めた。

龍牙の五人は教室を出て行った。

出ていく姿を目で追っていると、晶の物言いたげな瞳と目が合った。

けれど、それは無視して、今さら罪悪感なんて感じてんなよ、とだけ口パクで返す。

あとは前を向いて晶を視界から追い出した。


ーーその後、授業が始まるものの、すべて学び終えたことばかりでつまらない。

欠伸が出てくるのを必死で噛み殺す。
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