【完】嘘から始まる初恋ウェディング
♡1♡ *SIDEルナ* 最高の出会い。
♡1♡ *SIDEルナ* 最高の出会い。
「――危ない!」
彼は美しく、あの日私の世界の色を変えていって下さったんです。
その日は朝からツイていない日だった。
久しぶりに電車で会社まで通勤をすると、人身事故があり交通が暫くストップしてしまい
駅から走って会社まで急ぐと、おろしたてのパンプスのせいで靴擦れが出来てしまった。
天気予報に雨マークがついていたので、母から傘を持たされていたのだが、それをうっかりと電車の中に忘れてきてしまい結局は雨に降られる事になってしまう。
途中でコンビニに寄って傘を買おうとすれば、何故か朝の通勤ラッシュ並にコンビニのレジに人が並んでいたので、それは諦めた。
どしゃ降りの中小走りで会社までの道のりを急いでいると、道路を横切る車が前から猛スピードで横を走り抜けようとしてきた。 道路わきには大雨のせいで大きな水溜まりが出来ていた。
それは一瞬の出来事だった。
ぎゅっと目を瞑ると、まるで庇うように私の前にとても背の高い男性が立ちはだかっていたのだ。
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