【完】嘘から始まる初恋ウェディング

’中華’というワードをだしたら、彼女が銀座の高級店を予約しようとしたのには驚いたが。 まさか彼女に支払いをさせる訳にはいかないので、高級店には行かずに大衆中華料理店に案内するのは成功した。

だが……

ルナは見事にこのお店を気に入ってくれて、巨峰サワーニ杯で意識を失いやがった。
これには、困り果てた。 しかも酔った勢いで、好きだと告白されてしまった…。

どうして嫌われようとすればするほど、裏目に出てしまうのだろう。 俺はこの一ヵ月何事もなく平穏に仕事を終えればそれで良いのだ。

「どうしたらいいんだ………」

取り合えずおんぶしてお店を後にする。
しかしこの状況で桜栄家へは帰せない。 俺の信用問題に関わる事だ。

こんな真昼間っから酒を飲ませて、挙句の果てには潰してしまったなんて知られたら…この仕事は無かったことにされる。 いや、この一週間の報酬だって貰えないかもしれない。

俺がどれだけこの一週間我慢して、ストレスを抱えて生きて来たと思っている。

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