【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「んぅ……もう…飲めませんわ…」

背中にぎゅっとしがみつくルナは、まるで中身が入っていないかのように軽かった。
けれど背中に押し付けられる柔らかいおっぱいは……やっぱりデカい。

こいつの事は好きじゃない。 恋愛感情どころか、世界が違い過ぎて性的対象にも見れない。

けれど柔らかい膨らみと華奢な体。 ストレートの長い黒髪からは、シャンプーの柔らかい香りがする。

…どうしてこんなにドキドキするんだ? 一週間自分を殺して生きてきたせいで、色々な物が溜まっているせいだ。 まさか俺がこんな世界の違う女ににドキドキするわけもない。


けれど…あんなに真っ直ぐに真剣な目をして告白をされたのは、何年ぶりだろう。

顔を真っ赤にさせて、体中がぶるぶると震えていた。 実悠の事も気にしていた。 まさか彼女とは体だけの大人の関係だと口にしたら、こいつはぶっ倒れてしまうかもしれない。

「かける…さん…」

何を気にしている…!

恋愛対象に当てはまらなすぎる。そもそも世界が違い過ぎる。 俺のような人間が、こんな純粋で真っ当なお嬢様となんてありえない。

それより、どうにかどこかで休んでこいつの酔いを冷ました状態で家に送り届けないと…!

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