【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「つーか煙草吸うならベランダに行ってよ。 臭いなぁー…
それにしても綺麗だし、可愛い子だねぇ…。そりゃあチェリーチョコレートカンパニーの社長令嬢つったら、世界が違うかぁ。
こんな清純そうな子に真昼間から酒を飲ませて、あんたって本当に外道よね」

「こいつが勝手に飲んだんだよ!」

今回に関しては、俺は全く悪くない。
撫子のベッドに眠るルナはすうすうと安らかな寝息を立てている。

真っ白い肌は酒のせいかほんのりとピンク色をしていて、睫毛は長く、眠っている姿はお人形さんそのものだ。

撫子の言う通り、綺麗な女だ。 綺麗な上に何物にも汚されていなく、純白でもある。  やっぱりこいつはない。 煙草を咥えながら、思った。

「この状態じゃあ、いつ目を覚ますかも分かんねぇな。 真子さんに連絡を入れておくか…。
夕食はいらないです。 20時までには戻りますから、心配なく、っと。
あ~~…面倒くせぇ…」

リビングに戻って来た撫子は、テーブルに頬杖をついてニヤニヤとこちらを見つめる。
馬鹿みてーな派手な化粧で、ニヤつくと恐ろしさ十倍だ。

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