【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「なんだかんだ言って、ちゃんと護衛してんのね。」

「ふん、仕事だ。」

「仕事ねぇ~…。 仕事でもお兄ちゃんが焦ったり慌てたりする姿見るのって新鮮だね」

「それはあいつがッ!俺の想像の斜め上をいっつも行くからッ!
それよりキッチンを借りる。 夕食はいらんつった。この家で何か作ってこいつに食わせねぇと」

「へー…過保護ねぇ」

ニヤニヤしながらこちらを見つめる撫子を無視して、冷蔵庫を開く。
冷蔵庫の中には、飲み物と調味料しか入ってなかった。 こいつの生活ってマジでゴミだな。
人の事は言えないが。

「だって、料理なんてしないし…」

「……スーパーに行って適当な物を買ってくる。
お前、その間ルナの事を見ていろ。 目を覚ましたら水かなんか与えとけ。
余計な事を言ったらぶっ殺すからな?」

「こわーい。」

撫子と話をしていると疲れる…。
スーパーに行って、冷凍うどんでも買ってこよう。
料理なんかほぼ作らないし、どちらかといえば苦手だ。

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