【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「えぇーそうなんですかあ?」
「そうだよー。本当にルナちゃんって世間知らずなんだねぇー。
ほら、これがクラブの動画」
「まあ、ぴかぴかして綺麗ですわね!」
「音楽が爆音でかかってて、超楽しいよ。 今度ルナちゃんも一緒に行こうよ!」
「是非ッ…。 それにしても撫子さんの髪の色も綺麗ですわねぇ」
「この青~?めっちゃお気に入りなんだー。ルナちゃんも髪染めたら~?絶対ピンクとか似合うと思うし」
家に帰ると、ルナはすっかり目を覚ましていて何故か撫子と楽しそうにお喋りをしている。
撫子は昔から全く人見知りをしないタイプだった。 友達も多く、馬鹿だが明るい。
とはいえ、全く世界の違うお嬢様といち早く馴染むとは、我が妹ながらコミュ力が恐ろしい。
「る、ルナさん、お目覚めでしたか……」
にこりと笑った、口元が引きつる。 明らかな作り笑いの俺を見て、ぷっと撫子が吹き出す。
ルナから見えないように撫子を睨みつけると、サッと目を逸らして唇を尖らせる。
ベッドから慌てて起き上がるルナは、俺の前へやって来て深くお辞儀をする。