【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「けれどコストを抑えて低糖質に拘るって結構難しいと思いますけど?
地味になりそうだと思いますけど、そもそもインパクトに欠けるんですよね」
「それでもお菓子を手に取る多くは若い女性層でしょう? ダイエットもブームになっているし、見た目にインパクトはなくても私は低糖質を推すけど」
今日の会議も結局は、姉が中心になって話は進められる。 私はどうして姉とはこんなに出来が違うんだろう。
同じ家に生まれ、一緒に育ってきたはずなのに、姉はいつだって自分の意見をハッキリと述べる。
周りとばちばちとぶつかり合う事さえ厭わない。
部長は中心になって、そのやり取りを聞いている。
白鳥さんがぽつりと会話の中に入って行く。
「確かに近年低糖質で美味しいお菓子は市場に沢山出回っています。
しかしお菓子を買う層は30、40代の女性が多い。 そういった場合家族を持っている主婦も沢山いるので、お子さんや若年層もターゲットの視野に入れるべきだと思います。
低糖質は魅力的だけど、コスパも悪いしちょっぴり地味になりがちなんですよねぇ~…」
白鳥さんは、いつだって話題を自分中心に持っていくのが巧い人だった。
姉は、彼が来てからいつだって眉をひそめて少しだけ不機嫌そうだった。