【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「あの……」

小声で手を挙げると、一気に視線がこちらへと集中する。 それだけで顔が真っ赤になってしまう。

「私は、ルビーカカオを使った商品を考えていたのですが…」

「ルビーカカオ?」

「ああ、SNSでも見たことがある!」

「ピンク色のチョコレートよね?」

私が発言したのに一番驚いたのは、姉のレナちゃんだった。 緊張で、口から心臓が飛び出そうだったけれど、少し離れた場所で白鳥さんがにこりと微笑んだ。

「ええ、今日本でも注目され始めています。 第四のチョコレートとして、ジワジワと人気が出始めています。
見た目は可愛らしいピンク色なのですが、このピンク色は着色料などを一切使わずにルビーカカオ豆本来の色素成分のみで作られているのです。
なので着色料などを気にする方にも安心して、手に取って貰えると思いますわ。 それに香料も不使用なのにほんのりとラズベリーのような甘酸っぱい風味があるのも特徴です。
アンチエイジングをサポートするポリフェノールが非常に豊富に含まれていて、女性の方にも喜ばれると思います。
可愛らしく装飾すればSNSでも話題になりそうですし、女性やお子さんにも見た目の可愛らしさで手に取りやすいと思うのですが…
こちらに企画書も作ってきました…!」

これは、白鳥さんと一緒に作ったものだ。

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