【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「いいんじゃない?」
「確かにパッと華やかで目を惹くわよね?」
「着色料も使わずにこんな鮮やかなピンクになるものなのね。
わたしも着眼点はすっごく良いと思う」
「女性はこういうの好きよね? コンビニやスーパーで気軽に手が取れたら嬉しいかも。
SNSでも話題になりそう!」
周りの言葉を聞いて、心から安心した。 発言したはいいものの、膝はがくがくと笑っている。 額には大粒の汗をかいている。
そんな私の様子を見ては、白鳥さんはくくッと密かに笑っていた。
何個かの企画と共に、その日の企画会議は終わった。 部長が私の出した企画書を持ち帰ってくれる。
会議が終わると、余り話した事のない女性社員に声を掛けられた。
「桜栄さん、ルビーカカオの企画私は良いと思った。」
「そ、そうですか…?」
「うん。桜栄さんの企画書を見てワクワクしちゃったし、あんなチョコレートなら自分も買いたいって思ったしね。
桜栄さんって意外と面白いアイディア沢山持ってるのね。今まで会議でもあんまり発言しなかったから、知らなかった。
もっと周りにアピールをしてもいいと思う。 私は桜栄さんの案を推すわ」
「あ、ありがとうございますッ!」