【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「白鳥 翔と申します。 すいません、現在名刺は切らしていまして。」

「いえ、大丈夫。社長…ルナさんのお父様から白鳥さんの事はよく伺っていますので
何でもイギリスのノエルにいたそうで、とても優秀な方だと伺っています。」

「いえいえ、阿久津フーズファクトリーは大きな会社です。僕でもよく知っています。
お会い出来て嬉しいです」

ほっくんも白鳥さんも笑っている。 けれども、どこか他所行きな気まずい雰囲気が流れる。
…どうしてほっくんが、姉と家に?

疑問は沸きあがるばかりだけど、今日はレナちゃんとほっくんも夕ご飯を食べて行くのだと母が張り切って用意をしていた。

相変わらずレナちゃんと白鳥さんはピリついた空気の中、会話を進めていく。 何故かほっくんは私の隣に座って、いつも通り話を掛けて来た。

そのうち父が帰って来て、ありえない事を口に出すまでは笑えていたんだ。

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