【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「北斗くんも乗り気でねぇ?」
「ええ、小さい頃からルナの事はよく知っているし」
「そんな…知ってるしって…。 ほっくんはそれで本当に良いんですの?」
そもそも疑問。ほっくんの方こそ、私との結婚なんて嫌なんじゃないのだろうか。
けれど隣に座っているほっくんはにこにこと父や母の話を聞いている。
「いいも何も、俺は嬉しいけど。 小さい時からずっとルナの事好きだったし
だから桜栄社長からこの話を聞いた時は、嬉しかった」
はにかみながら言う。 好き? 幼馴染として一緒に過ごしてきて、そんな風に感じた事なかった。
けれども両親も、ほっくん自体もノリノリだった。 白鳥さんは関係ないのにその話を聞いていて、気まずい。 目が合うといつも通り微笑んでくれたけれど、すぐに目を逸らされてしまった。
…分かっている。助けてくれるはずがないって。
「ルナはどうだ?北斗くんは嫌か?」
「嫌ではないですけど…」