【完】嘘から始まる初恋ウェディング
げぇ!!!キスも初めてかよッ?!
最悪だ。 最悪な程重ったるい。 けれども…子供のようにぎゅっと俺の体にしがみつくルナを、どうしてこんなに愛しく思えてしまうのだろう。
だから次に自然にルナに向き直って、壊れ物のように優しく抱きしめていた自分が信じられなかった。
意思とは裏腹に、手が勝手に動いていく。 長い髪をゆっくりと撫でると、胸の中安心したようにルナは小さく微笑んだ。
守りたい。
ただただ純粋に女にそんな気持ちを抱くのは、初めての経験だった。
「私…お父様にはハッキリと好きな人がいるって言いますわ…」
「知るか。そんなの俺には関係ない…。
つーか胸を押し付けるな…」
押しつけるなと言ったのに、俺の胸の中抱き着くルナの力は緩む事はない。
マジで襲うぞ?!こいつ俺の言った事理解してんのか?!
「大好きです、白鳥さん…」
「俺はお前みたいな女はタイプじゃない…。もっと大人の女がいい」
「じゃあ、白鳥さんが私を大人にして?」
あー…頭が痛ぇ…。
話が全然通じていないようだ。