【完】嘘から始まる初恋ウェディング
♡5♡ *SIDEルナ* セフレと恋人。
♡5♡ *SIDEルナ* セフレと恋人。
…初めてのキス。
あんなに強引にされたのは、勿論初めての経験で。
私だってそこまで子供じゃないわ。 男女の営みくらい分かっているつもり。 小説や映画の中でぼんやりとしか見たことはなかったけれど
コウノトリが赤ちゃんを連れて来ると信じる程子供ではない。
思い出すだけで、顔が真っ赤になるのを止められない。
「みゃー…」ベッドの傍らにはロミオが居て、甘えた声を出して私の顔を覗き込む。 ぎゅっと抱きしめると、床で眠っていたジュリエットまで起き出して、嬉しそうにベッドに上がってこちらへ飛びつく。
二匹を抱きしめるのとは、ちょっとだけ違う。 私よりずっと背が高くて、ごつごつしている男らしい手に触れられるだけで…胸が驚く程ドキドキして、体はあんなにも熱くなっていった。
彼の鋭くも真剣な瞳に見つめられると、胸がトクンと高鳴りを見せた。
泣いてしまった理由は、怖かっただけじゃない。 いつものように優しい言葉遣いではなかった。少しだけ強引で、でもその中に白鳥さんの優しさがきちんと見えたから、感極まって泣き出してしまった。