【完】嘘から始まる初恋ウェディング

口が悪くたって、白鳥さんは実はとても優しい人だというのはとっくに気が付いていた。

私は彼の恋人じゃないわ。 だから彼にも休日に自由に過ごす権利がある。 友人とだって会いたいだろうし、好きな場所にだって行きたいはずだから。

「…何かあったらすぐに連絡してもいい…」

そう言ったら携帯を取り出した。

「そういえば…!私達連絡先の交換もしていなかったわ…!
だって白鳥さん常に私と一緒に居てくれたから」

「別に…俺はお前の連絡先は知ってたけど…」

「え?何か?」

「何でもない。 ほら、ライン交換。 番号も送っておく。」

「嬉しい…!」

「用事もないのに連絡してくるんじゃねぇぞ?…これは緊急事態にだけ発動させろ」

「勿論ですわ…! 写真も送れますね…!」

「写真って…やっぱりお前用事もないのに連絡するつもりだろう…」

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